数々の有名リゾートホテルや、財界人の住宅の総合設計を手掛ける建築家、佐竹永太郎氏が率いるクリエーター企業

有限会社エスティエイアール(STAR)
創業2005年10月。INFINITO HOTEL&SPA南紀白浜をはじめ、数々の有名リゾートをはじめとする幅広い分野の総合建築設計とプロデュースで、活動範囲を広げるクリエーター企業。
代表取締役で建築家の佐竹永太郎社長は、東北大学大学院工学研究科で都市建築学を専攻。その後、北川原温建築都市研究所を経て、2002年に独立。個人事業主としての独立から数えて、今年で創業17年。
積み上げた作品群は、建築家としての受注を遥かに超え、アーティストと呼べる領域に達している。
建築する施主の経営者から佐竹社長にご指名がかかる仕事だけを引き受けるという、他の競合を寄せ付けない、仕事の哲学をお聴きするため、東京北区の東十条にある、有限会社エスティエイアールのオフィスビルを訪問した。

あわわの師さん本日は、有限会社エスティエイアールのオフィスにお伺いしております。

ラウンジと名刺
インタビューのはじめから、溢れ出すアートな企業理念

あわわの師さん佐竹社長。まず、私が、今、インタビューをさせていただいている、御社1階のラウンジですが、ここが、既に、企業のオフィスという概念を超越した空間になっていますね?
非常に驚きました。伝統的な美術品と、現代建築のアートが融合した、素敵なラウンジ空間になっておられますね。

STARラウンジ

有限会社エスティエイアール 東京オフィスの「STARラウンジ」

佐竹社長:ありがとうございます。 私たちは、クライアントの課題を美しさで解決し、「ありがとう」を創造する企業です。

クライアントにお越しいただいて、お打ち合わせをし、社内のアソシエイトたちがアイデアをディスカッションする、弊社のラウンジは、私たち独自の「美の意識」を表現している場所でなければならないと、私は想っています。

その私の想いを形にした場所が、このラウンジです。

あわわの師さんなるほど。
更に、今、頂戴いたしました佐竹社長のお名刺の表面ですが、白い名刺の周囲に御社名や社長のお名前などの情報が、白い空間の周囲にデザインされていますね。

佐竹社長の名刺デザイン

佐竹社長の名刺デザイン

佐竹社長:はい。この弊社の名刺は、「額縁」をイメージしてデザインしています。

あわわの師さんおー!なるほど。
確かに、額縁ですね。

佐竹社長:私どもにご依頼をいただくクライアントは、それぞれに「絵」を構想され、私どもが、その実現をお請けするわけです。

いわば、私どもは、クライアントに相応しい絵を飾る「額縁」の役割を果たす企業です。これが、私どもの、企業の在り方であるというのが、私の信条です。それを、名刺に表現したのが、この名刺です。

あわわの師さんインタビューのスタートから3分で、既に「場」と「名刺」で、御社は、経営の理念を、アートな表現で、明確に伝えておられますね。
最高の、経営理念の表現方法だと思います。

経営者から直接依頼を受けた案件だけを引き受ける。
営業活動をしない、最高の差別化。

あわわの師さんさて、御社の受注された建築物を御社のホームページで拝見いたしました。

INFINITO HOTEL&SPA 南紀白浜

INFINITO HOTEL&SPA 南紀白浜

佐竹社長:リゾートホテルや、納骨堂、それに、経営者の方の個人のご自宅や別荘。

多様な分野の案件をお引き受けしています。

ただ、一貫している受注の方針は、経営者の方から、「佐竹をご指名」で、直接ご依頼をいただき、その想いを私どもが形にしているという点です。

経営者は、事業物件にせよ、個人の建築にせよ、ご自分の課題があります。

この課題に対し、私どもは、美しく「のぞみをかなえ」、「解決する」仕事をしています。

生意気な言い方をお許しいただければ、使われる立場ではなく、クライアントとの車の両輪のような、言い換えれば、「右腕」のような存在として、仕事を進めたいというのが、私どものスタンスです。

あわわの師さん御社の仕事は、まさに、究極のナレッジ経営ですね。
依頼をされる段階で、競合が生じる余地はないわけですが、一方で、クライアントの経営者の方から、実務が下の方に降りた時に、その経営者の方との温度差があって、そこにぶつかることはないですか?

佐竹社長:もちろん、そういうことは、ままあります。現場の方の能力云々ということだけでなく、経営者の方にも、光の部分もあれば、影の部分もありますから。

そういうことにぶつかることは多々ありますけれども、でも、それがあるからと言って、駄目な理由を私たちが探しても、何も形になりません。

ナレッジ経営を貫く組織の人事政策

MGY-BASE

渋谷区神宮前のアパレルブランドのオフィス MGY-BASE

あわわの師さん一方で、今度は、御社側の組織の内部のことをお聴きします。
高い経営理念を持ち、ナレッジ経営を貫く組織が、ぶつかる大きな課題は、組織内での、理念やナレッジの共有だと思います。
佐竹社長の理念が従業員に伝わらない、ナレッジの継承ができない、ということがあると、それがナレッジ経営の最も大きな成長阻害要因になると思います。
この点、御社は、どのような人事上の工夫をされているのでしょうか?

佐竹社長:弊社では、自社ではなくチーム、従業員でなくメンバー、という概念で考えています。プロジェクトごとに法人の枠を超えた最適なチームをデザインしています。そこで、先ほど、お話しました「額縁」を、もう一方で、メンバーの個性を飾るという観点で、捉えなおす考え方で、私は対応をしています。

私どもの会社は、エスティエイアール、つまり、STARなのですが、参加してくれる皆さんの、個々の個性をSTARとして輝かせることを会社として重視する、という目標をもって、経営をしています。

例えば、私どもの業界、つまり建築設計事業所の登録は10万社以上あるそうです。多くは個人で活動しており、業界の最大の企業では、売上高350億円程度、2000人のスタッフを抱えています。

このような業界ですから、能力的には優秀だけれども、その能力を活かしきれていない方がたくさん出てきてしまうのです。

このような方々の中で、私たちの理念に共感してくれる人が出てきます。

このような人たちに、私どもの額縁に参加いただき、その能力を輝かせることを目指し、共感をもって、一緒に仕事に取り組むようにすることが、解決策になると思います。

今後の目標

芦ノ湖の別荘

芦ノ湖の別荘

あわわの師さんでは最後に、佐竹社長の今後の経営者としての目標を教えてください。

佐竹社長:弊社は、2019年時点で、個人での独立から数えて、17年目になります。

法人の成長の過程で、小学校・中学校・高校にあたる若い勉強の時期を過ごしてきました。

今、ここから、会社が「20歳」に向かう中、会社も私も、更に勉強を続けると同時に、大人としての「現実」に向き合う時期に来ていると考えています。

チームSTARのメンバーの幸せ、そして企業としての売上高の目標の達成を意識した経営の両立が、ここからの重点課題だと思っています。

自分は、今でも、自分が正しいという想いに到達していません。だから、追求を続けています。

その対象として、仕事の質とともに、企業としての売上の向上という部分も、しっかり取り組むのが、「大人」の企業としての在り方ではないかと思っています。

あわわの師さんなるほど。企業として、20年間、存続するというのは、それ自体、とても素晴らしいことだと思いますが、20年を超えて、なおかつ、「正しいと思えない」というのは、佐竹社長が、本当のアーティストだということだと私は思います。
本日は、お忙しい中、ありがとうございました。

佐竹社長:こちらこそ、ありがとうございました。

【インタビューを終えて】

今、「大人」の時代を迎えようとしている、アーティスト企業。
その理想と現実の追求のバランスの中に、優れたナレッジを磨き上げる企業が生まれる。

佐竹社長は、一級建築士という「士業」の社長だ。

しかし、仕事の取り組み方をお聴きすると、その仕事の分野は、一級建築士としての専門領域を遥かに超えていることがわかる。

経営者の課題に対するソリューションとして、建築を請け負えば、ハードとしての建物の提供に終わらないに違いない。

インテリアはもちろん、接客などのソフトや、従業員の制服などのデザインも、課題の解決には、建築物を貫く理念との、一貫性が必要になるはずだ。

その総合プロデュースをはじめれば、そこには、一級建築士の仕事をはるかに超える領域が、顔を見せるだろう。

そして、その奥深さを覗き込むとき、「自分は、今でも、正しいという想いに到達していない」という、佐竹社長がインタビューで漏らされた、「焦燥感の表現」に繋がるのではないかと思う。

「17歳」という思春期にいるSTARの、経営者らしい不安かもしれない。

そして同時に、佐竹社長は、これから、成人を迎えるSTARを、理念だけではなく、現実の企業としての売上目標という、「現実の数字」で、将来を見据えている。

思春期の理想と、大人へ至る現実の、同時追求。

20歳を超えたエスティエイアールという会社が、クライアントから仰いでも、スタッフから仰いでも、明るく美しいSTARとして、天空に輝き続ける存在であり続けてほしいと、私は思う。

STAR/有限会社エスティエイアール サイトURL

https://starchitects.info

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