大学の講師から、パズルトップメーカーの社長へ独立

シャフト株式会社
代表取締役の清水健太郎社長は、IT教育を専攻する大学の講師からの独立という、異色の経歴のベンチャー事業家。
ご結婚をされ、その4年後に、大学の講師を続けながら、勤務先である大学の承諾をえて、副業としてシャフト株式会社を設立。2018年現在、創業7年。この間、順調に売り上げと利益を伸ばされ、主力商品であるオリジナルジグソーパズルを、日本国内の販売高首位の事業に育て上げた。
副業からスタートし、主力商品の販売高を日本トップのビジネスに育てて、堂々の独立を果たされた清水社長に、その道筋をお聞きした。

あわわの師さん本日は、シャフト株式会社の清水健太郎社長にお時間をいただき、お話をお伺いいたします。ご多忙のところ、ありがとうございます。

シャフト株式会社の商品

あわわの師さん今、私はシャフト株式会社の本社にお伺いしております。本社の応接コーナーの壁面に、様々なサイズのパズルが飾ってあります。
こちらが、御社の商品のオリジナルジグソーパズルでしょうか?

清水社長:はい。その通りです。オリジナルジグソーパズルというのは、お客様がご自身で撮影されたお写真をお預かりして、パズルに仕上げた商品です。弊社では、このように様々なサイズで制作することができます。

弊社では、このようなお客様のお写真を使った、他にも様々な商品を取り扱っております。パズルのほか、オリジナル時計・オリジナルオルゴール・オリジナルマグカップ・オリジナルiPhoneケースなど。このうち、最も皆様にご利用いただいておりますのが、このオリジナルジグソーパズルです。

あわわの師さんすごく大きいサイズで、写真をたくさん組み合わされているものもできるのですね。

清水社長:そうです。お客様のご要望をお聞きし、写真を組み合わせて、この世界にオンリーワンのパズルを作ることが当社の強みです。

大学の講師から社長へ

あわわの師さん清水社長は、もともと大学の講師というご経歴とお伺いしました。大学の講師という安定した職場から、どうして独立をしようとお考えになられたのですか?

清水社長:大学の講師という仕事は、決して安定しているわけではありません。教授ポストも限定されております。私自身、結婚をして、家庭に責任を持たなければならないようになってから、自分の将来について、私なりに悩みました。大学の講師としての未来像を自分の頭にはっきりと描けなかったのです。その結果、それなら、自分で起業しようと思い立ちました。ただ、ではすぐに、大学の講師を辞めて起業ができるかといったら、それはあまりにも無謀です。そこで、副業という形で、大学の承認を受け、シャフト株式会社を設立しました。

あわわの師さんなるほど。独立開業は、非常にリスクが大きいです。ご家庭を持たれ、責任が発生した後であれば、リスクをできるだけ避けたいですよね。副業からスタートというのは、非常に賢いやり方だと思います。

オリジナルジグソーパズルのメーカーへの道のり

あわわの師さんさて、オリジナルジグソーパズルという商品の販売は、どのような経緯でスタートされたのでしょうか?

清水社長:最初、オリジナルジグソーパズルを当時取り扱っておられた企業様の販売代理店にさせていただきました。

そのうえで、私は、IT分野の講師ですので、サイトの構築については、自分なりのノウハウがありました。それで、自分で販売サイトを立ち上げ、これを工夫しながら育て、少しずつ売上げをアップさせていきました。

あわわの師さんなるほど、最初は販売代理店ビジネスからスタートされたのですね。副業で始める場合、有力な企業の販売代理店や、フランチャイジーに加盟することは、賢い方法の一つです。
ところで、今は、シャフト株式会社は、オリジナルジグソーパズルで、「シャフト・メイド・イン・東京」というブランドを立ち上げ、自社の「工場」で製造し販売されておられますよね。

清水社長:すみません、弊社では「工場」という言葉を使わず、「工房」と言っています。

あわわの師さん失礼しました。工房ですね。
つまりは、御社は販売代理店からスタートして、ご自身でメーカーになる、つまり「川上」へ事業拡大をされたわけですよね。これは、どういった経緯だったのでしょうか。

清水社長:はい。実は、私自身、自社で製造まで踏み込むつもりは、当初は全くなかったのです。

ただ、販売量が多くなってくると、お客様のニーズに、取引メーカー側が応えてくれないことが多くなってきたのです。

例えば、オリジナルジグソーパズルは、ギフトとして購入されることが多いのですが、12月24日までにお届けする商品の締め切りを、メーカー側に一方的に12月19日に設定されてしまったりしました。でも、お客様からすれば、12月20日に申し込んだら、25日以降の到着です、と言われたら、納得できませんよね。

販売量が多くなるにしたがって、こう言った放漫な態度や、商品に対するクレームが、多くなりました。

お客様に誠実に向かい合うという姿勢を貫くには、これでは駄目だと、悩みました。メーカーに申し入れても、誠実な対応が殆どとられませんでした。このままでは、弊社の評判が落ちてしまうと危機感を抱いたのです。

それで、では自社で工房を創ろうと、思い至ったわけです。

あわわの師さんしかし、そうは言っても、パズルの製造機なんて、そう簡単に売っていませんよね?

清水社長:その通りです。製造機は、あることはあるのですが、それでは、とても弊社が販売しているような製品品質のパズルは、作れませんでした。1年以上かけ、様々な工作機械のメーカーさんを探し、ようやく、製造を任せられる機械メーカーさんを見つけました。そちらでも、もちろん、パズル製造機なんて作ったことはありません。半年以上の模索と開発期間をかけていただき、ようやく完成したのが、今の機械です。

あわわの師さん機械を拝見しましたが、あれは、相当な金額の機械でしょ?

清水社長:はい。弊社としては、社運をかけた投資でした。ちょうど、その時、父が定年退職をする時期にあたっており、父に退職の後の仕事として、工房長になってもらうことにして、ここにシャフトの工房が出来上がり、ようやく納得のいく商品と販売体制ができました。

今後の企業の成長ベクトル

あわわの師さん代理店からメーカーに。大きな成長をとげ、副業からスタートされたビジネスで、清水社長は、業界首位の企業を創られたのですが、今後、会社をどのように発展させていきたいとお考えですか?

清水社長:まずは、弊社のオリジナルジグソーパズルを、今以上に、様々なお客様にお使いいただきたいですね。そのための策を、一歩づつ、前進させたいと思います。

本年、これまでの自社サイトに加え、楽天サイトをオープンしました。楽天をスタートしてから、確実に、従来のお客様と違う層の方にもお買い求めいただけるようになりました。そういった意味で、より多くの層のお客様に、当社の製品をお届けできるようにしたいと考えています。

弊社の経営ドメインは、お客様のオリジナルな、お写真を使った、あらゆる商品の開発と販売と位置付けています。そのため、例えば、オリジナルジグソーパズルをお買い求めいただいたお客様に、別の商品、例えば、オリジナル時計や、オリジナルオルゴールをご提案させていただき、弊社のファンを一人でも多く作っていくことに、注力をしていきたいと思います。

総合オリジナル製品企業へ。これが、私の目指す、シャフトの未来像です。

【インタビューを終えて】

副業は“片手間”を意味しない。
それは情熱と誠実さで商品と顧客に向き合うとき、“起業”のスタートアップとなる

清水社長は、とても真面目な方だ。「自社の工場」という表現をした私に、「工房です」と訂正されたとき、清水社長の眼の中に、妥協を嫌う誠実な輝きを私は観た。

販売高を右肩上がりで、アップさせるシャフトが、多くのお客様を前にすればするほど、当時のメーカーが誠実に顧客のニーズに取り組まずに、シャフトの販売高に胡坐をかく姿勢が目立ったことを、清水社長は、許せなかったのだろう。これこそが、前進する経営者の正しい成長への動機だと私は思う。

製品と顧客。そこに誠実に向き合う経営者は、「副業」からスタートしても、「副」では納得ができなくなるのだ。その納得できないというこだわりこそが、アントレプレナーシップの神髄なのではないか。総合オリジナル製品企業と自らの会社を位置付けて語る清水社長には、「副」業という影は、既に微塵も見当たらない。

シャフト株式会社 コーポレートサイトURL

https://www.schaft-japan.com

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