会社を設立したら、まず行政機関へ届け出から

《 あいりちゃんの独り言 》
私の会社が設立でき、登記の履歴事項全部証明書も手にしました。代表取締役として、私の名前が登記されているのを見て、ちょっと感激です。
さて、この後、どうすればいいのだろう?
事業をスタートする準備は、もちろんしなければならないんだけど、色々な行政機関に届け出なければいけないでしょ?

こんなことを考えていた日の夕暮れ。あわわの辻に、あいりちゃんが差し掛かると…

あら不思議。

あいりちゃんは、陰態の世界にある、あわわの師さんの書斎に入り込んでしまいました。膨大な蔵書がある、あわわの師さんの書斎で、あいりちゃん、株式会社の設立の後の行政機関への届け出や、役員報酬に関するルールについて学びます。

あいりちゃんと学ぶ、自分でできる!株式会社の設立後の届け出と注意点

株式会社は定款を作成し、登記を完了すれば、法律上は、私たち自然人と同様に、定款で定めた目的の範囲内で経済活動を行う権利義務の主体になる実体を獲得できます。

しかし、会社が活動を現実に行えば、納税の義務を果たし、従業員を雇用すれば、様々な労務上の義務を負います。

これらの義務の主体になったことを、行政機関に届け出なければなりません。これらをきちんと行わないと、社会的な義務を果たしていないとして、融資などの審査での信用が伴わないなど、多くの不利益を被り、最悪の場合、脱税として犯罪になることもありえます。

会社を設立すると、とても忙しいですが、これらの義務を果たすための行政機関への届け出は、必ず行いましょう。

勿論、とても忙しい方は、税理士さんや司法書士さん、行政書士さんに依頼すれば、手続きを行ってくれます。

ただ、その場合でも、会社の設立の場合と同じく、士業の先生に任せっきりになると、自分の会社の重要な届け出事項を知らない、ということにもなりかねません。

例えば、会社の設立の際、資産の減価償却の評価方法について、税務署に届け出を行うのですが、どのような届け出をしたかを知らないでいると、仕入れにおける資産の評価が定額法になっているのか、定率法になっているのか、がわからなくなります。そうすると、翌年からの経営で、資産の減価償却の金額感がわからなくなり、損金をどの程度、日常的に計上して、売上げにたいする利益をあげていけばよいのかが、わからなくなります。

優秀な中小企業の経営者というのは、このような、日常的な営業や財務の「肌カン」をきちんと持っている人たちです。

このような「肌カン」は、財務や税務、法務や労務に関する書類の作成や申告などを、ヒトに任せっきりにせずに、自分で行うか、または、ヒトに任せても、しっかり先生方から説明を受けて、自分で把握するといった、努力によって、育ってきます。

設立したばかりの時には、おカネも節約したいものです。行政の届け出書類は、それほど、難しい内容はありませんから、自分で、作成して、関係官庁を回ってみることも、とても重要な経営者としての経験です。

●提出官庁と書類の一覧

では早速、提出しなければならない書類と、提出先の官庁の一覧を掲げます。

●株式会社設立時の行政届け出一覧

行政官庁 書類内容 提出 提出期限 提出書類
税務署 法人設立届出書 ※1 必須 設立から2か月以内 法人設立届出書(PDF)はこちら
青色申告の承認申請書 ほぼ必須 設立から3か月以内 青色申告の承認申請書(PDF)はこちら
給与支払事務所開設届出書 ほぼ必須 最初の給与支払い前 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(PDF)はこちら
源泉所得税納税特例納税申請書 任意 最初の給与支払い前 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(PDF)はこちら
棚卸資産評価方法届出書 任意 最初の確定申告期限まで 棚卸資産の評価方法の届出書(PDF)はこちら
減価償却資産償却方法届出書 任意 定率法を選択する場合 減価償却資産の償却方法の届出書(PDF)はこちら
申請期限延長特例申請書 ※2 任意 申請期限延長の前年末まで 確定申告書の提出期限の延長の特例(PDF)はこちら
都道府県税事務所 法人設立届出 ※3 必須 設立後速やかに
市町村役所 法人設立届出 ※4 必須 設立後速やかに
労働基準監督署 保険関係成立届 ※5 必須 最初の従業員入社後10日以内 労働保険の参考資料(PDF)はこちら
概算保険料申告書 ※6 必須 最初の従業員入社後10日以内
ハローワーク 雇用保険適用事務所設置届 ※7 必須 最初の従業員入社後10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 ※8 必須 最初の従業員入社後10日以内
年金事務所 健康保険厚生年金保険新規適用届 ※9 必須 最初の役員・従業員入社後10日以内
健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届 必須 最初の役員・従業員入社後10日以内
健康保険被扶養者届 必須 最初の役員・従業員入社後10日以内

※1 添付書類 … 定款(コピー)、登記事項証明書、設立時貸借対照表、株主名簿。
※2 申請する場合、必ず都道府県と市町村にも提出する。
※3 添付書類 … 定款(コピー)、登記事項証明書。提出書類は、都道府県により書式が異なる。
※4 添付書類 … 定款(コピー)、登記事項証明書。提出書類は、市町村により書式が異なる。
※5 添付書類は、都道府県ごとに異なる。提出書類は、事務所ごとに異なるため、サイトをよく読み、各々の書式を各事務所から入手する。
※6 添付書類は、都道府県ごとに異なる。
※7 添付書類は、都道府県ごとに異なる。
※8 添付書類は、都道府県ごとに異なる。
※9 添付書類は、年金機構ごとに異なる。年金機構で直接相談し、手続きを進める。

●まず、税務署・都道府県税事務所・市区町村役所から

会社を設立したら、取り急ぎ、税務署・都道府県税事務所・市区町村役所に提出する書類から作成しましょう。

日本の行政機関は、国のほか、都道府県と市町村という二重構造の地方行政によって成り立っています。今後、納税は、そのすべてに国税・地方税を申告しなければなりませんので、ここで提出するのは、そのすべてに会社を設立したことを報告する書類です。

例えば、青色申告の承認申請書は、これを提出することで、青色申告という「お得な」税制を利用できるようになりますので、絶対提出しましょう。

また、通常、法人税等の、所得に課税される税金は、決算後、2か月以内に申告納税を義務づけられますが、これを、定時株主総会の開催などを理由に延長するということが、申告期限延長特例申請書を提出することで認められますので、各役所に提出をお勧めします。

●役員報酬に関する損金計上のルールには注意が必要

労働基準監督署への届け出は、従業員を雇用する会社には、必要です。社長一人で始める会社は、設立時には提出はしなくても構いません。

一方、社長が役員報酬をえる場合、年金事務所に社会保険の申請手続きは行わなければなりません。
会社で社会保険に加入をすると、厚生年金で会社が負担する法定福利を会社の損金で計上することができますので、個人事業で国保に加入するよりも、社長の人生全体から見ると、お得です。

さて、ここで、会社を設立する社長が、気を付けなければならないのが、役員報酬に対する損金計上のルールについてです。

役員報酬を損金計上するためには、会社設立時から3か月以内に株主総会(または取締役会)にて、役員報酬を決議し、定額で支払いを開始しなければなりません。
この報酬額は、決算まで、変更ができません。
これを期の途中で変更すると、損金計上ができなくなるという重要なルールがあります。

これは、役員報酬を名目とする、利益操縦による納税金額節税を防ぐためのルールです。

そこで、役員報酬をとる場合、必ず、株主総会議事録を作成し、3か月以内に役員報酬の支払いを定額で開始してください。

尚、定額での役員報酬を支払うことが不安な会社であるとか、社長が副業でスタートし、本業との関係で、社長が所得を明らかにしたくないという事情がある場合、会社の事情にあわせて、個別に対処方法があります。下記のお問い合わせをいただければ、その極意を無料でご指導することも可能です。

●詳しくは、「おせっかいにも、1回無料で経営をアドバイスします」を活用ください。

会社の設立や、その後の行政への届け出を自分で進めるという方で、手続きの進め方・役員報酬に関する相談をしたい方。

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