ダイナミック・プライシングってなによ?

《 あいりちゃんの独り言 》
会社を設立した私。
Amazonで、会社に必要なモノを購入することにしました。
買おうと思っていたモノの値段をAmazonで調べ、購入リストを作り、予算を立てて、いざ、購入を進めようとすると・・・。
あれあれ?
値段が変わっちゃった!
調べてみると、Amazonはダイナミック・プライシングという技術を使い、瞬間瞬間で、価格を見直しているということが判りました。
でも、どうして同じモノの価格が、そんな短時間で変わっちゃうの?
それって、あり?
ダイナミック・プライシングって、一体、何なのよ?

こんなことを考えていた日の夕暮れ。あわわの辻に、あいりちゃんが差し掛かると…

あら不思議。

あいりちゃんは、陰態の世界にある、あわわの師さんの書斎に入り込んでしまいました。膨大な蔵書がある、あわわの師さんの書斎で、あいりちゃん、ダイナミック・プライシング時代における「価格」の考え方を一人、学びます。

あいりちゃんと学ぶ、ダイナミック・プライシング

あいりちゃんのような経験を、Amazonで買い物をしようとする方はされたことがあるのではなかろうか?

マーケティングミックスの要素「4P」の一つである価格(Price)は、これまでの市場経済のもとでは、一物一価が原則であった。

もちろん、マーケティングの歴史的な考え方の中では、価格に対するリーダーシップは、様々なチャネルに変化をしてきた。

メーカーが原価をベースに価格を決めていた時代(定価の時代)から、消費者に近い小売りが価格決定のリーダーシップが移ってきたということが、マーケティングの概説書を読めば、必ず書かれてある。

また、経済学の概説書には、価格とは需要と供給のバランスである需給曲線の交点により決定されると書かれてあろう。

いずれにしても、これまでのマーケティングやマクロ経済学の理論においては、いずれも、価格は、一物一価で決まることには変わりはなかった。

これに対して、今、世界で、GAFAと呼ばれるITの巨大企業の一つ、Amazonを中心として、この一物一価の原則が、根本から覆されつつあるのである。

その基本となる技術が、ダイナミック・プライシングだ。

ダイナミック・プライシングは、21世紀のガソリンと言われるビックデーターと、ディープラーニングを行う人工知能(AI)による、最適価格の決定手法である。

本稿が書かれた2019年3月現在、ダイナミック・プライシングの技術は、いまだ、発展の途上にあり、新進のAIベンチャーの技術者が試行を繰り返している段階であることから、以下の内容は、この時点での最新情報に基づくことをお断りしたうえで、読者はお読みいただきたい。

ダイナミック・プライシングにおける価格決定の要素となるデーターは、以下のような項目に属するものが利用されているようである。

■時期(時間)的な要因
・季節
・購買の曜日
・その時点の天候
・配送に関わる交通情報
■商品自体の要因
・希少価値
・当該商品の鮮度
・商品発送までに要する時間
・需給の状況
■購買者の特性
・購買者の属性(所得・志向など)
・買い物履歴状況

このような多様なファクターに関するビックデーターの、多変量解析的な分析をAIが瞬時に行い、膨大な商品価格の変更を、瞬時に行うのが、ダイナミック・プライシングだ。

特に、上記の「買い物履歴」の項目による価格決定の事例は、消費者でも賛否が分かれるのではないだろうか?

例えば、その商品を何度もリピートして買っているAさんには、前回と同様の高い価格を提供し、他の競合商品から乗り換えようとしているBさんには、割引の特別価格が提供されるといった具合。

同時に購入したAさんと、Bさんに、同じ商品の価格が別に提示されることが普通になるのだ。

このダイナミック・プラシングが、消費者に受け入れられるかどうかは、現段階では、未知数だ。

しかし、消費者が、Amazonを使い続け、消費者がこの技術を、一物一価よりも合理的かつ信用ができると考えるようになった場合、企業のマーケティングにおける価格戦略は、劇的な変革の波に晒されるに違いない。

もしかしたら、その変革は、もう、すぐそこまで来ているかもしれない。

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